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コモンモードフィルターの作り方

CQ誌6月号にFair-Rite社の2643102002という43材のコアを7個使用した直列型コモンモードフィルターの製作記事が載っていたので、真似して作ってみた。
記事では、1個1個のコアに同軸を3ターンずつ巻いているのだが、この巻き方ではでき上がったものをVP30の塩ビパイプに収めることができない。
なぜかと言うと、コアの直径+同軸の直径が、塩ビパイプの内径とぴったり同じで、コア1個ずつに同軸を巻くと、同軸の曲げ半径がコアに対して大き過ぎてコアの端で同軸が密着しない。
コアと同軸が完全に密着しない限り、VP30のパイプに収めることは絶対に無理になる。
1個や2個は何とかパイプに入るが、7個を無理矢理入れると同軸がわやになる。
そこで、この1個1個に3ターンずつ巻く作り方は諦めて、7個全部にまとめて3ターン巻くことにした。
これならVP30のパイプに問題なく入ってくれる。

s-P1130304.jpg

さて、一応の形が完成したので、特性(インピーダンス)を実測してみた。
測定方法は、SGとスペアナを用意して、SG出力の同軸の芯線だけにCMFの芯線を接続、またスペアナ入力の同軸の芯線だけにCMFのもう一端の芯線を接続。
両同軸のシールド同士は銅板でつないでおく。
これで各バンド毎に、同軸を直結したときとCMFを通過させたときとのレベル(電力)の比L(dB)を測定すると、10の((L/20)-1)乗を計算してインピーダンス(kΩ)が求まる。

7個一括で3ターン巻いたCMFの測定結果は...
1.179MHz 1.43kΩ
1.9MHz 2.66kΩ
3.5MHz 5.50kΩ
3.7MHz 5.96kΩ
7MHz 4.79kΩ
10MHz 2.79kΩ
14MHz 1.74kΩ
18MHz 0.90kΩ
21MHz 0.65kΩ
24MHz 0.39kΩ
28MHz 1.84kΩ
50MHz 0.27kΩ

あちゃー、あかん。
ハイバンドで自己共振が起きてしまい、コモンモードを阻止する効果がなくなっている。
CQ誌の記事では実測はしておらず、データシートに記載されている10MHzでの1個あたりの1ターンのインピーダンスを元に、全体のインピーダンスを計算した推定となっている。
そしてそれは、自己共振を想定していない。
コアに線材を何ターンも巻くと、線間容量によって自己共振が発生する。
希望の周波数付近で自己共振が起こると、「ハイ残念でしたー」ということになる。
残念な結果になったので、今度はSGをスイープさせて測定をしながら、巻き方を試行錯誤。
どうしても50MHzの自己共振は止めることができなかったが、HF帯全域で納得でき、かつパイプに収容できる巻き方を見つけることができた。
それは、3個と3個と1個に分けて3ターンずつ巻く方法。

s-P1130305.jpg

このときの特性は次の通り。
50MHzは諦めて、別のものを作ろう。
1.179MHz 1.20kΩ
1.9MHz 2.02kΩ
3.5MHz 3.16kΩ
3.7MHz 3.31kΩ
7MHz 5.25kΩ
10MHz 8.04kΩ
14MHz 6.61kΩ
18MHz 4.52kΩ
21MHz 3.63kΩ
24MHz 2.66kΩ
28MHz 2.04kΩ
50MHz 0.14kΩ

このようにCMFは測定をしながら作るのが無難。
スペアナがない場合は、受信機のSメーターを使えば良い。
また、コアに何ターンも巻かずに、同軸を通すだけ(1ターン)なら自己共振は起きない。

s-P1130303.jpg

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プロフィール

JL3LSF

Author:JL3LSF
1970年生まれ
1984年、大阪府堺市でJL3LSF開局
1991年、イリノイ州シャンペインの消防署でTechnician Plus取得 (N9PLT)
2011年、Amateur Extra取得 姫路で (NA1AA)
2014年、大阪府堺市南区にQSY
2019年、開局35周年

アンテナ
 (1)地上高15m 3 element Yagi (for 20, 17, 15, 12 and 10m)
 (2)地上高17.5m Rotatable Dipole (for 40 and 30m)
 (3)地上高16m 7 element Yagi (for 6m)

空中線電力 150Wぐらい

第一級アマチュア無線技士
職業 無線技術者(第一級陸上無線技術士 = 昔で言うところの一技) 選任されている無線局は440局(2019/05/01現在)
旧第一種伝送交換主任技術者
第三種電気主任技術者
高等学校教諭一種免許(工業)
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育受講済
専門は物理
以下省略

本業は6mのJCC/JCGハンティングで、昔は自宅からも山からもアクティブにQRV。
しかし仕事でン十kW級の無線を始めてからというもの、しばらくアマチュアを休業。
数年前から段階的にカムバックし、密集住宅街の狭い家から何を思ってか、3.5MHzから28MHzでDXを呼んではガッカリ。
移動運用で狙うDXにも限界が訪れ、2014年4月、遂にたまりかねて高台移転。
やっと普通の弱小局に格上げか???

*2014年4月24日、6バンドHexagonal Beam設置。

*2014年秋からは小さなタワーに給電してローバンドの運用を開始。

*2015年1月29日、18MHz/24MHz用4エレHB9CVを追加。

*2015年5月からは50MHz用の自作5エレF9FTを使用開始。

*2015年8月、F9FTを10MHz用釣竿ロータリーダイポールに交換。

*2015年9月、釣竿ロータリーダイポールを7MHz/10MHzの2バンド用に変更。

*2015年10月、ローバンド用アンテナをスローパーに変更。

*2016年1月、Hexagonal Beamを3エレトライバンダーに交換。

*2016年4月、スローパーを撤去して3.5MHz用のロングワイヤーを設置。

*2018年6月1日、ローバンド用のリモート局の免許を受ける。給電点海抜高655mのハーフスローパー。恐らく大阪で一番高い。ただし100W。

*2018年9月、台風21号により被災。マストパイプが曲がり、数を減らす目的で3エレトライバンダーとWARCの4エレHB9CVを統合して改造!

*2018年11月6日、リモート局のローバンド用アンテナをハーフスローパーから傾斜型に変更(160m・80m)。給電点海抜高638.5m。スカイツリーよりは高い。

*2019年1月8日、リモート局の160m用エレメントを短縮型からフルサイズ(折り曲げ)に変更。

*2019年5月6日、50MHzの6エレ八木を再設置。

*2019年7月20日、50MHzのアンテナを6エレからブーム長8.7mの7エレに交換。

今思うと、やっぱりHexagonal Beamがいちばん良いような...

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